ルー・デュ・シャトー(タラスコン)

Rue du Château 
Tarascon



 ローヌ川沿いに中世の街並が広がるタラスコン。隣接しているアルルやサン=レミ=ドゥ・プロヴァンスに比べると、日本では今ひとつ知名度は低いのですが、フランスでは、プロヴァンス伯爵領時代の面影を残す美しい町として知られています。プロヴァンス・プリントの老舗ソレイヤドの本店があるのもこの町です。
 荘厳なタラスコン城を背にして延びるシャトー通り(Rue du Château)に面して、このメゾン・ドットは建っています。静かな町に溶け込み、落ちついた佇まいで。

 町同様、ここもまた時代の迷宮。入り口ホールにたくさんの蠟燭をともしている夜などは、中世に迷い込んだかのような気分におちいってしまいそう。
 もともと独立していた16世紀と19世紀の建物を一つにつなげているため、内部は複雑で、不思議な空間。客室は5部屋ですが、建物の中には17の部屋があり、迷路のようです。

 
 オーナーのマルティーヌさんは、ロワールのナント出身。やさしさがふんわりと漂うマダムです。ホールに一週間のマルシェの予定が黒板に書かれていたり、展覧会のお知らせが美しくディスプレイされているのも、きめ細やかな彼女の人柄を思わせます。
 5つの客室は、それぞれの色のイメージでインテリアを統一しています。「赤の部屋」「緑の部屋」「黄色の部屋」「青の部屋」「白の部屋」。どの部屋も、華美なものは何一つなく、こぢんまりとしていて、とても落ちつくのです。ちなみに、「赤」と「青」のみバスタブがあり、「赤」と「緑」のみエアコンがあります。

 朝食は、サロン(写真一番上)か中庭(写真中央大)で。たっぷりのカフェオレや紅茶をいただきながら過ごす朝のひととき。それだけで、すばらしい1日が訪れる予感がしてきます。なんでもないことが、豊かで幸せに感じる時間……。

 ここには、テレビはありません。この町の、この宿には似合わないのです。素朴とも、リュクスとも違う、フランスの上質なぬくもりが、ここにあります。


 
24, rue du Château-13150 Tarascon
☎04 90 91 09 99
全5室 バス付き2室、シャワーのみ3室
客室料金 (朝食込み)2泊以上〜
Chambre simple78€    
Chambre double(ダブルベッドまたはツイン) 85〜95€ 
追加ベット料金 20€
11月〜3月休み
ターブル・ドット(夕食)不可
クレジットカード不可
インターネット可     駐車場有り



送迎を兼ねたプライベートチャーターを承ります。詳細はこちらでご覧ください。



この建物が学校だった時の"忘れ形見"が、ホールにあります。始業のベル。小さくて、かわいらしい音。





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